縁を結ぶ、冠婚葬祭。セルモグループ

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セルモの代表を務める岩上梨可が、社長としてママとして書くコラム。
人と人の「縁」や、この国の人生儀式など、忘れてはいけない大切なことを綴っていきます。

一覧に戻る 見えないギフトを感じる日2024.02.12

もうすぐバレンタイン。今年も甘いチョコが飛び交う季節がやって来ました。日本では、女性が好きな男性に贈り物をする習慣が根付いていますが、このイベントの発祥となった西洋のキリスト教圏では、少し様子が違います。男性から女性へ花を贈ったり、恋人同士がお互いに贈り物をし合うなど、カップルが愛を祝う日となっているようです。

バレンタインデーの起源には諸説ありますが、有名なのはこんなお話。3世紀頃のローマ帝国時代、皇帝は戦時下に兵士の戦意が鈍るのを避けようと結婚を禁じますが、その禁を破って恋人たちを結婚させた司祭がいました。結局彼は処刑され殉教しますが、その「聖ウァレンティヌス(バレンタイン)」という司祭の命日に因んで生まれたのが「聖バレンタインデー」。つまり、「恋人たちの守護神」となった聖人に由来する2月14日は、手渡すモノが何であれ「愛」を贈る日というわけです。

贈り物、英語で言えばギフト(gift)。目に見えるモノだけでなく、天賦の才能など目には見えない贈り物も指す言葉です。私の中でのギフトの概念は、有形無形に関わらず、自分のまったく意図しないところから自分にもたらされるもの。ハッピーなことやラッキーなことはもちろん、困難やアンラッキーなことも含めて、自分のところへ来るものは全てギフトだと思っています。

ですから、例えば、最初に嫌だなと思った仕事や試練でも、せっかく自分の元にやってきたものは、受け取ってみます。すると、それを乗り越えた時、終わった後に「やっぱり経験して良かった」と思うことがほとんどなのです。もちろん、嫌だったこと、大変だったことが消せるわけではないし、何か目に見える成果物が現れるとは限らないけれど、少なくとも一つひとつの経験が、自分を成長させてくれるし、それが、人生なのかなと感じます。

そんなふうに、いつでも物事をポジティブに変換できる能力は、まさに私を助けてくれる天からのギフトかも知れません。そして、その力は、生来の私の性格だけではなく、父から受け継いだものでもあります。父は、昔から、私たち子どもによくこう言っていました。「俺は何も遺せん。遺せるのは考え方だけ」と前おきし、「常に物事は、いいように、いいように、プラスになるように考えなさい」と。また、今の上皇后美智子さまの「幸せと感じる人の心が幸せ」というお言葉を引用しながら、「幸せは、モノや誰かが与えてくれるものじゃない。自分が感じるもの。その感じる心を持ちなさい」と繰り返し話していました。今考えれば、そんな導きをしてくれた父そのものも、私にとって大きなギフトだったのだと思います。

目に見えない采配によってもたらされるギフト。その最たるものが、「出会い」であり「ご縁」ではないでしょうか。私たちセルモは、「出会いに気づき、出会いを築く」という企業理念を掲げています。お客様の無形の宝物である大切なギフトに関わらせていただく仕事として、常に、見えないものも「感じる心」を持ちながらミッションを果たしていきたいと考えています。