縁を結ぶ、冠婚葬祭。セルモグループ

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セルモの代表を務める岩上梨可が、社長としてママとして書くコラム。
人と人の「縁」や、この国の人生儀式など、忘れてはいけない大切なことを綴っていきます。

一覧に戻る 「自分を知る」ことの大切さ2021.05.07

新年度が始まって約1か月。仕事や学校などで環境が大きく変わった人も多いのではないでしょうか。私は、大学への出前授業や弊社への会社訪問で来られる若い人たちに、常々伝えていることがあります。それは、さまざまな環境で自身の力を発揮するためにまず必要なのは、「自分を知る」ことだということです。

弊社では、新入社員を受け入れた後、すぐに一定の部署に配置することはしません。入社の際、一応本人の希望を聞きますが、まずは、1年間、会社のすべての部署を回ってもらいます。営業、事務、ブライダルや葬祭の各現場…と、さまざまな仕事環境を経験する中で、自分がどんな仕事に興味を感じるのか、そこで働く先輩たちのどんな姿を「いいな」と思うのかを、しっかりと体感しながら見極めてもらうためです。そして1年後にもう一度改めて希望職種を尋ねるのですが、入社時とは全く違う部署を希望する社員がけっこう多くいます。

人の感性は人それぞれ、こんな風になりたいと感じる将来像も違います。たとえば、人格的に素晴らしい人に憧れる人もいれば、スポーツ選手のように結果を出せる人、つまりビジネスでいえば稼げる人に魅力を感じる人もいます。であれば、人的な環境としては、そんな先輩の近くにいる方が成長しやすいはずです。大切なのは、自分には何が響くのかということ。自分の本質的な部分に響く環境を選ぶ方が、能力を発揮しやすく、結果的に人の役に立つこともできます。それが分からないまま仕事をしていると、言われたからやるという「やらされ感」や生活のためだけに働くといった寂しい毎日になってしまいます。

また、「自分を知る」ことは、人間関係においても大切です。特に、まだ自分が何者か分からない若い頃は、できるだけ多くの人と積極的に出会って欲しいと思います。さまざまな人と出会うことで、自分と他人の違いが分かると、諍いが減ります。たとえば意見が対立しても、「私は違うけど、あの人はそう思うんだな」と考えることができます。しかし、自分以外の感性や考え方が理解できないと「なんでそうなるの?」と相手を攻めたくなり、人間関係が上手くいかなくなってしまうのです。

多くの出会いを重ねていると、いろんな気づきが得られるし、師となるような人や人生のパートナーと出会う可能性だって出てきます。「わざわざ出掛けるのは面倒」と感じることもあるかも知れませんが、そこは、「かけた時間とエネルギーの元は取る!」くらいのガッツで、自分の人生を豊かにしていって欲しいと思います。

一人の親として思うのは、子どもたちが本質的に持っている資質を大切に育ててあげたいということ。いい学校へ行く、条件のいい就職先を選ぶといった表面的な幸せではなく、その子がイキイキと自分の力を発揮し、それが、世の中の役にも立つ。そんな生き方ができる人間に育って欲しいと思うのです。

もちろん、大人になっても人間の成長には限りがありません。私たちセルモは、社員一人ひとりが、常に自己成長を目指し、自分も地域社会もより幸せにできるよう、これからもみんなで研鑽を積んで参ります。