縁を結ぶ、冠婚葬祭。セルモグループ

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セルモの代表を務める岩上梨可が、社長としてママとして書くコラム。
人と人の「縁」や、この国の人生儀式など、忘れてはいけない大切なことを綴っていきます。

一覧に戻る 時間的距離というギフト2020.09.11

9月の第3月曜日は敬老の日。今年は新型コロナウイルスの影響でおじいちゃん、おばあちゃんに会いに行けない方も多いのではないでしょうか。でも、携帯電話やアプリの発達で、顔を見ることも、写真を送ることも、手軽にできるようになりました。どうやら我が家の子どもたちも、私の知らないところで、いつもおばあちゃんとつながっているようです。

存命であれば共に敬老の日を祝ったであろう私の父は、平成29年76歳で他界しました。その三回忌を先日迎えながら考えたことがあります。それは、故人とつながる法要が、私たちの心にもたらす影響についてです。

仏教の場合、亡くなった人を供養する法要は、葬儀という別れの儀式から、初七日、四十九日、初盆、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌…と、少しずつ時間的距離を広げながらやって来ます。節目となる法要から法要の間の時間が徐々に長くなっていくことで、残された側も、故人と共に生きた世界から少しずつ離れていくことができる…、そして、過去に留まることなく「今」を生きる自分と向き合い、これからの歩みを進めていくことができるのではないかと。法要は、亡くなった故人を偲ぶだけでなく、生きている側にとっても自分の人生をみつめ直す大切な意味があることを、改めて父から学ばせてもらった気がしたのです。

一方、どんどん成長していく子どもたちのお祝いにも、同じような効果があるように思います。誕生から、お七夜、お宮参り(約1カ月)、お食い初め(約100日)、初節句(1年以内)、七五三(男子は数え年3歳と5歳、女子は数え年3歳と7歳)、十三参り(数え年13歳)、そして、成人式。最近は、満10歳で二分の一成人式をお祝いする方も多いようですね。

いずれにしても、可愛い子どもの成長を喜び、感謝するお祝いも、誕生後は短い期間で頻繁に行いますが、その時間的距離は徐々に広がっていきます。下の子が中学生になった我が家でも、近ごろ子どもたちのお祝いがめっきり少なくなってしまいました。

この成長のお祝いも、子どもにとってはもちろん、親にとっても、親離れ・子離れをする準備ステップになっているように感じます。何かと手がかかった幼い頃から少しずつ大人になっていく我が子を自立させる覚悟を促し、親自身も自分軸の人生を少しずつ取り戻すための助走期間と解釈すると淋しさよりも頼もしさを感じられるのではないでしょうか?もしかすると、先人たちがそんな知恵を上手に織り込んでくれたのかも知れません。

お祝いや法要は、お祝いされる、ご供養されるご本人のためだけのものではなく、家族やご縁のある方たちにとっても、さまざまな想いを刻む心の節目となるもの。そして、人生儀礼をお手伝いさせていただく私たちの事業は、まさにそのような多くの想いと共にある仕事です。自身の経験も踏まえながら、これからも、社員と共に、より一層お客様のお気持ちに寄り添える企業を目指してまいります。