縁を結ぶ、冠婚葬祭。セルモグループ

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セルモの代表を務める岩上梨可が、社長としてママとして書くコラム。
人と人の「縁」や、この国の人生儀式など、忘れてはいけない大切なことを綴っていきます。

一覧に戻る 「十人十色」の豊かさを2024.04.01

街ゆく人のファッションも、花壇の花々も、カラフルに咲くこの季節。見ているだけで何となく気分がウキウキと軽くなる、春の色にはそんな効果があるように思います。色の効果は、「カラーセラピー」や「カラーマーケティング」など社会のさまざまな場面で使われていますが、私も、公私ともに自分なりのこだわりを持って取り入れています。

プライベートでは、ファッションもインテリアも、モノトーン系でシンプルにまとめるのが好み。そこに、装いなら小物やアクセサリーで、室内なら季節の花を飾ることで差し色をプラスします。時には風水的にいい色を、時には心理効果的にいい色を。ラッキーカラーと言われる色も、自分に似合わない色なら、持ち物や目立たないところに使えば、無理せず気分をアップさせることができます。

色は、時にその色を表現する文字を見ただけでもイメージが一気に広がる効果も。私は、色の描写が上手な作家さんの小説にはつい引き込まれてしまいます。特に感性が繊細な日本人は、色に関する言葉もとても豊か。例えば、青色を表す言葉だけでも、「青」「碧」「蒼」「葱」「藍」「紺」「瑠璃」「群青」…と、数え上げれば百以上もあるらしく、一つひとつが情景まで浮かぶほど多彩です。また、そんな言葉たちが感じさせてくれるのが、先人たちがどのように自然と向き合ってきたかという私たち日本人の精神風土です。

そんな日本語の中でも、色の持つ特性を人間社会の例えとして上手に用いた言葉があります。それは、『十人十色』。自然の造形物は、画一的に再現できる人工物と違って、似ているようでも全く同じものはありません。十あれば、その一つひとつに固有の色がある。同じように、人にもそれぞれに個性や考え、生き方がある。そのことを、たった四文字で思い出させてくれる素晴らしい言葉だと思います。

時代は、今まさに「多様性」を認め合う社会へと向かっています。これまでの慣習や前例、権威や世間体などより、それぞれが「自分らしく生きる」ことを大切にする。そんな選択をする人が確実に増えていると感じますし、そのための有形無形の進化が少しずつ進んでいる気がします。

人生儀礼をお手伝いする私たちの仕事も例外ではありません。「自分らしく」「自分たちらしく」というお客様のニーズは、コロナ禍を境にとても大きな流れになっていると感じます。例えば、セルモでは、お葬儀の時、故人様にお決まりの白装束ではなくお気に入りの服を着ていただくことを以前からお勧めしていたのですが、今では身に着けるものだけでなく、ご葬儀のスタイルそのものも多様化してきています。

人生の節目となる結婚式やご葬儀。それは、主人公となる方の生き方が色濃く反映されるもの。その在り方が多様化することは、まさに多様性を認め合う社会の反映と言えるのではないでしょうか。セルモは、これからも、人生儀礼のお手伝いはもちろん、お客様や社員、ご縁を頂くすべての方々の『十人十色』の個性が、多彩に、豊かに咲く社会を応援し続けてまいります。